横浜発、北欧行き。
もはや、これは洋楽だ。
前作『Imprint****』でヨーロッパを通過したネオ・ギター・ポップを完成させた音楽隊は、
ついにその先の北欧へと辿り着いた。
アイスランドの音楽ドキュメンタリー映画『SCREAMING MASTERPIECE』をも思い起こさせるような
静謐さをもった本作『wonder of dear』。
ビョーク、シガー・ロス、ムーム等、
世界的なアーティストにも通ずる優しさと冷たさを兼ね備えた音の素粒子は、
2月に降る雪のように繊細だ。
前作より遙かに思慮深くかつ狡猾になったサウンドプロダクションと、
現在の流行りのモードとは一線を画した独創性は、
これまでのキャリアとメンバー達の有り余る音楽愛の成し得る技。
その想いは業界の中にも伝播し、AppleやSONYといった企業製品のCMソングにも使用されることとなる。
本作はそういった耳の早いインディー・ポップ・ファンのみならず、
洋楽至上主義のリスナーの琴線にも確実に触れるであろうマスターピースとして完成した。